お歳暮の意味や由来とは?お中元との違い4選やお返し・贈るときのマナーも解説

お世話になった人に対して感謝の気持ちを伝えるために贈るお歳暮は、人との関わりが増えるほど贈ることが多くなります。しかし、「お歳暮とお中元の違いが分からない」「お歳暮を贈る時のマナーが分からない」という人も多いでしょう。

当記事ではお歳暮の意味や由来、お中元との違い、お歳暮を贈るときのマナーについて解説します。当記事を読めば、お歳暮をいただいた時にお返しする際のマナーや人気の品物について分かります。お歳暮の概要を理解したい人はぜひご覧ください。

お歳暮とは?意味や由来を解説

お歳暮はお世話になっている人に日頃の感謝の気持ちや、「来年も変わらずよろしくお願いします」という気持ちを込めて贈るものです。お歳暮の始まりは、室町時代からと言われています。

「年の暮れ」という文字通り一年の終わりを意味するお歳暮。
そんな年の暮れから正月にかけて行われていた「御霊祭り(みたま-まつり)」といわれる、家々の先祖の霊を祭る行事の際に使われるお供え物がお歳暮の始まりといわれています。

そこで用意したお供え物を両親や親族、ご近所の方に配るようになり、これらが次第に「歳暮」「お歳暮」と呼ばれるようになりました。お歳暮は、最近では「冬ギフト」と呼ばれることも増えてきています。

お歳暮を贈る相手はさまざまで、家族、親戚、仲人、会社の上司をはじめ、友人、知人などへ日頃の感謝や愛情を込めて贈ります。近年では、一年間頑張ってきた自分へご褒美のプレゼントとして買う人も増えてきています。

お歳暮 の由来については以下の記事でより詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
→関連記事「お歳暮の由来・歴史・起源とは?」

お歳暮とお中元の違い4選

お歳暮とよく似たものに、お中元があります。どちらもお世話になった人に感謝の気持ちを込めて贈る点は共通していますが、以下のような違いがあります。

  • ●意味合いが違う
  • ●時期が違う
  • ●贈る商品が違う
  • ●熨斗(のし)が違う

お歳暮とお中元の違いを理解していないと、かえって失礼にあたる可能性があるので、把握しておくことが重要です。

・意味合いが違う

お中元とお歳暮では、意味合いが違います。
お歳暮には「歳のはじめから歳の暮れまで一年間お世話になりました」という感謝の気持ちや「来年もよろしくおねがいします」という挨拶の意味が込められています。

対して、お中元には「年のはじめから中元までの半年間お世話になりました」という感謝の気持ちや「暑い夏に、お体は大丈夫ですか」という心遣いの意味が込められています。

双方ともに感謝の気持ちや挨拶、心遣いをもって贈るものですが、意味合いが少々異なるので覚えておきましょう。

・時期が違う

お歳暮とお中元は贈る時期にも違いがあります。それぞれの贈る時期は以下の通りです。
地域 お歳暮 お中元
東日本 12月1日~20日頃 7月1日~15日頃 
西日本 12月10日~20日頃 8月1日から15日頃

お歳暮は、一般的には12月上旬から20日前後までに贈るのが良いと言われています。

20日を過ぎると、年末が近づき忙しくなる家庭が多いため、遅くともクリスマスが終わる25日頃までに贈るのがおすすめとされているのです。

一方でお中元は、主に東日本では7月1日~15日まで、西日本では旧暦に合わせて1ヶ月遅れの8月1日から15日までとされています。

どちらも、東日本と西日本ではそれぞれ贈る時期に細かい違いがあるので注意が必要です。

お歳暮とお中元を贈る時期については以下の記事でそれぞれより詳しく解説しているので、 あわせてご覧ください。
→関連記事「お歳暮はいつまで? 贈ることを忘れたときの対処法」
→関連記事「お中元の時期はいつからいつまで? 地域に異なる時期や適切な表書き」

・贈る商品が違う

贈る商品にも、お歳暮とお中元で違いがあります。それぞれで贈る代表的な商品は以下の通りです。
お歳暮 海産物、ハム、高級肉、洋菓子、ビールなど
お中元 アイス、ゼリー、ジュース、フルーツ、そうめん、ビールなど

お中元は夏に贈るため、アイスやゼリー、ジュースといった涼しげな商品に人気があります。また、桃やメロンなどのフルーツや、そうめんなどの夏を感じる商品も人気です。

対して、お歳暮では年末から正月に家族や親戚が集まった時に喜ばれるような食べ物が選ばれます。鍋に適した海産物や、大人数で食べられるハムや肉類、焼き菓子などが人気です。




・熨斗(のし)が違う

お歳暮とお中元では熨斗の表書きも異なります。熨斗の表書きは贈る時期によって細かく変化するので注意しましょう。お中元の場合は時期によって以下のように違いがあります。
表書きの表記 新盆地域 旧盆地域
御中元・お中元 7月1日~15日頃 8月1日から15日頃
暑中御見舞 7月中旬~8月7日頃 -
残暑御見舞 8月8日~8月31日頃 8月15日~8月31日頃

旧盆の習慣がある地域では8月15日までは「お中元」として贈り、それ以降は「残暑御見舞」の表記で贈ります。

お中元の時期による表書きの違いについては以下の記事でより詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

お中元の時期はいつからいつまで? 地域に異なる時期や適切な表書き
→関連記事「お中元の時期はいつからいつまで? 地域に異なる時期や適切な表書き」

続いて、お歳暮における時期別の表記方法は以下の通りです。
表書きの表記 時期
御歳暮・お歳暮 12月上旬~12月20日頃
御年賀 1月1日~1月7日頃
寒中御見舞 1月7日~2月上旬頃

お歳暮の場合は地域による細かい違いはなく、贈る時期によって表記が変化します。基本的にお歳暮は年末までに贈ることが多いですが、1月上旬に贈る場合は「御年賀」の表記を使用するのが一般的です。

お歳暮を贈るときのマナー4選

お歳暮とお中元の違いについて分かった所で、お歳暮を贈る際のマナーについて解説します。知っておきたいマナーは以下の通りです。

  • ●お歳暮を贈るとき
  • ●お歳暮を手渡しするとき
  • ●送り状を書くとき
  • ●熨斗を書くとき

特に、お歳暮を手渡しするときには細かいマナーが多いので注意しなければいけません。それぞれ詳しくみていきましょう。

・お歳暮を贈るときのマナー

まずはお歳暮を配送で贈る際のマナーです。お歳暮を配送で贈る場合は、送り状を送るようにしましょう。

送り状は品物に添えて贈るのが基本的ですが、それぞれ別々に贈っても問題ありません。ただし、別々に贈る場合は、品物よりも送り状が先に到着するようにする必要があります。

また、贈る相手への配慮も重要です。事前に受け取れる日時を確認しておけば、生鮮食品を贈った場合でも安心できます。また、相手が忙しく、荷物を受け取れるタイミングが少ない場合は、あえて消費期限の長い焼き菓子や飲料を選ぶのもよいでしょう。

・お歳暮を手渡しするときのマナー

お歳暮を手渡しする場合、以下のようなマナーがあります。

  • ●訪問する時間を調整する
  • ●身だしなみに注意する
  • ●お歳暮を渡したらすぐに帰る

まずは訪問する時間についてです。訪問する時間は可能な限り相手の都合に合わせ、早朝や夜間、食事時を避けたほうがよいでしょう。

また、訪問時は予定の時間より早すぎても遅すぎてもマナー違反です。特に遅れる場合は事前に連絡を入れる必要があります。予定より早く到着した場合は、時間になってから訪問しましょう。

次に身だしなみについてです。ラフな格好で訪問するのはマナー違反なので、襟付きの服など、清楚な服装を選ぶ必要があります。また、コートなどを羽織る場合は、訪問時にあらかじめ脱いでおくようにしましょう。

訪問時はお歳暮を渡し、すぐに帰るのがマナーです。ただし、相手に屋内に案内されたのであれば、快く申し出を受け入れましょう。屋内に案内された場合も、基本的には挨拶に留め、長居しないことが重要です。

以上のように、お歳暮を手渡しするときには細かいマナーがあるので、注意しましょう。

お歳暮を手渡しするときのマナーについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせ てご覧ください。
→関連記事「お歳暮の渡し方とは? 手渡しのマナーについて」

・送り状を書くときのマナー

続いて送り状を書くときのマナーです。送り状はパソコンよりも手書きの方が気持ちが伝わります。基本的には縦書きで、以下のような構成で作成することが多いです。

  • 1.前文
  • 2.主文
  • 3.末文
  • 4.あと付け

前文では、まずは拝啓や謹啓といった頭語を書きます。続いて「歳末ご多忙の折 いかがおすごしでしょうか。」などのように、季語を使用した時候の挨拶を書きましょう。

挨拶を書いたら主文として、1年の感謝やお歳暮を贈る旨を記述します。送り状とお歳暮を別々に送る場合は、お歳暮が届く時期も記載しておきましょう。

主文が書き終わったら末文として、結びの挨拶を書き、最後に敬具や謹言といった結語を書けば送り状の完成です。あと付けは頭語によって使用すべきものが変わるので注意しましょう。

送り状を書くときのマナーについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
→関連記事「お歳暮の挨拶文のマナーや文例について」

・熨斗(のし)を書くときのマナー

最後に熨斗を書くときのマナーについてです。お歳暮では、紅白の「紅白の蝶結び」や「一般お祝い用」の水引が入った熨斗を使用します。熨斗には上半分に「お歳暮」や「寒中御見舞」といった表題を記入し、下半分に贈り主の氏名をフルネームで記入しましょう。

連名で送る場合、目上の人の名前を右側に記入します。記入できる氏名は原則3名までなので、送り主が3名を超える場合は代表者の氏名を記入しましょう。

また、会社から送る場合は会社名を記入すると考えられがちですが、実際には代表者の氏名を記入します。会社名を記入したいのであれば、代表者の氏名の右上に小さく記入するのが一般的です。

お歳暮を贈るときののしの書き方については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
→関連記事「お歳暮の「のし・包装」の種類や書き方について 」

お歳暮をもらったときのお返しのマナー2選

お歳暮の時期になると、自分から贈るだけでなく人からお歳暮をもらう機会もあるでしょう。お歳暮をもらったら、お返しをする必要があります。

お歳暮のお返しとは基本的にお礼状のことで、お礼状に合わせて品物を送ることもあります。

お歳暮を送る時と同様、お返しをするときにも以下のようなマナーが存在するので注意が必要です。

  • ●お礼状を書くときのマナー
  • ●品物を贈るときのマナー

それぞれ詳しくみていきましょう。

・お礼状を書くときのマナー

お礼状は送り状と同じく、以下のような構成で作成します。
  • 1.頭語
  • 2.時候の挨拶
  • 3.いただいた贈り物へのお礼の言葉
  • 4.相手の健康を気遣う言葉
  • 5.結語(結びの言葉)

送り状と大きく変わるのは、お礼状ではお歳暮を受け取った旨や感想、感謝の意を記入する点です。また、お歳暮は寒い時期に贈るので、相手を気遣うような言葉を添えることが多いです。

お礼状は、お歳暮を受け取ったら可能な限り早く送りましょう。お礼状を作成する前に、まずは電話やメールでお歳暮を受け取った旨を伝えるとより親切です。

お礼状を書く際のマナーについては以下の記事でより詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
→関連記事「お歳暮のお礼状の書き方と例文について」

・品物を贈るときのマナー

基本的に、お歳暮のお返しに品物は必要ありません。しかし、相手によっては感謝の意を伝えるために品物を贈りたいこともあるでしょう。品物を贈る場合は、送り状を添えて送るようにしましょう

お礼の品物を選ぶ際には値段に注意しましょう。あまりに高額な品物を贈ると、相手に「気を使わせてしまった」と感じさせてしまいます。よって、お礼の品物はいただいたお歳暮の半額~同額以下の金額で選ぶとよいでしょう。

お歳暮に人気のギフト

お歳暮に人気のギフトには以下のようなものがあります。

  • ●ハム・ソーセージ
  • ●菓子類
  • ●ビールなどの酒類
  • ●カタログギフト

ハムやソーセージなどの加工肉は生肉とは違い、冷蔵である程度保存が効くため選びやすいでしょう。大人から子どもまで喜ばれることが多いのも選びやすいポイントです。

菓子類も同じく、保存が効き幅広い層に好まれるため、人気の品物です。

相手がお酒好きな方の場合は、酒類を選ぶのもよいでしょう。相手の好みを理解しているのであれば、好みに合わせた酒を選ぶと喜ばれます。好みが分からないのであれば、年末年始の親族の集まりで出しやすいビールを贈るのが無難です。

また、カタログギフトは品物の選択を相手に委ねることができ、確実に好みのものを贈れるため人気です。相手の好みが分からない場合は、カタログギフトも選択肢に入れて考えるとよいでしょう。


まとめ

お歳暮の由来やお中元との違い、贈る際のマナーなどについて解説しました。お歳暮はお世話になっている人に日ごろの感謝を込めて贈るもので、基本的には12月初旬~年末に贈ります。お中元は夏場に贈るもので、贈る商品や熨斗の表記などが違うので混同しないようにしましょう。

お歳暮を贈る時やお歳暮をいただいたお礼をする際には、送り状やお礼状を贈るのが一般的です。訪問してお歳暮を手渡しする場合は、訪問時間や服装などにマナーがあるので注意しましょう。

お歳暮の品物は年末年始における親族の集まりに利用できるようなものがおすすめです。鍋に使える海産物や肉類、大人数に提供しやすいハムやソーセージ、酒類などが好まれます。また、相手の好みが分からない場合はカタログギフトを贈るのもおすすめです。

お歳暮を贈る際のマナーを理解し、お世話になった人に感謝の気持ちを伝えましょう。

シャディギフトモールではお歳暮に最適なギフトを各種取り揃えています。お歳暮として人気のハムやソーセージ、お菓子類のほか、カタログギフトもさまざまな価格帯で販売されているので、お歳暮に悩んでいる方はぜひご覧ください。