人生の節目にはいろいろなお祝いがあります。
それぞれの祝いには、一般的にはこれを贈るとされている品物があります。あまり親しくないお付き合いであったり、相手の好みがわからない場合は一般的なものにするのが無難ですが、できれば相手に本当に喜ばれそうなひと工夫をしたいものです。たとえば長寿の祝いなら、遠く離れていて日ごろ会えない子供や孫の写真や動画をデジタルフィトフレームに入れてお送りするすることで喜ばれる場合もあります。
結婚記念日を祝うのは欧米の風習ですが、夫婦の愛を確かめ合ういい機会として、日本でも祝うのが一般的になってきました。
以前は、5年、10年など特定の周年だけでしたが、現在は、1年ごとにさまざまな名称がつけられ、祝われるようになりました。1年めには紙製のもの、5年めには木製のものというように、その名称にちなんだものを贈るのがならわしとなっています。夫婦で記念日となるものを贈り合ったり、木婚式であれば木製の家具をふたりで購入するなど、思い出を作る品を買う機会にするのもよいでしょう。
結婚記念日の名称 | |||
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1年 | 結婚式 | 13年 | レース婚式 |
2年 | 綿婚式または蕎婚式 | 14年 | 象牙婚式 |
3年 | 革婚式または菓婚式 | 15年 | 水晶婚式 |
4年 | 書籍婚式または花婚式 | 20年 | 磁器婚式 |
5年 | 木婚式 | 25年 | 銀婚式 |
6年 | 鉄婚式 | 30年 | 真珠婚式 |
7年 | 銅婚式 | 35年 | 珊瑚婚式 |
8年 |
青銅婚式 または電気器具婚式 |
40年 | ルビー婚式 |
9年 | 陶器婚式 | 45年 | サファイア婚式 |
10年 |
鈴(すず)婚式 またはアルミ婚式 |
50年 | 金婚式 |
11年 | 鋼鉄婚式 | 55年 | エメラルド婚式 |
12年 | 絹婚式 | 75年 | ダイヤモンド婚式 |
長寿の祝いは「賀寿」などといい、数え年で行うのがふつうで、数え年の61歳の還暦から始まります。それ以降は古希、喜寿と続きますが、現代の60歳、70歳はまだ若く、現代で活躍している人も多いので、お祝いを喜ばない人もいるでしょう。本人の意向も尊重し、還暦、古希は見送るか、ごく内輪だけのお祝いにし、喜寿から盛大にするほうが自然な場合があります。また長寿の祝いとせず、誕生日祝いとして節目の年を盛大に祝うという方法もあります。周りがむやみに年寄り扱いしない心遣いをしたいものです。
家を建てる際には、無事に工事が完了する事を願って地鎮祭や上棟式などの行事を行うのがしきたりとなっています。
地鎮祭は建築にとりかかるにあたり、その土地の神を鎮めるために行います。一般家屋の建築の場合は、土地の神社の神職を招き、建築主と棟梁、設計者、とび頭など、ごく内輪の人たちが集まります。この場合、ほかになじみの神社があったとしても、その土地の神社にお願いします。
日にちは大安に限りませんが、吉日を選びます。家族全員が出席できる休日にするのもよいでしょう。おめでたいことは午前中に行うのがよいとされていますが、暦が先負にあたるときは午後からにします。
家の土台ができて柱や梁を組み立てると、棟木を上げるにあたって上棟式を行います。上棟式は「建前」「棟上げ式」ともいい、家屋の守護寺などをまつって、新家屋に災いなく幸あれと祈る儀式です。
日にちは地鎮祭と同様に吉日を選びますが、神職を招かずに、棟梁が中心となって儀式をとり行うのが一般的です。列席するのは設計者やとび職など工事関係者一同、建築主とその家族です。
正式には棟上げ儀式として行いますが、最近では棟上げまですませておき、その下に祭場を設ける略式で行います。
新築披露に招かれたら、お祝いの品やお金は前日までに届くように送ります。といっても品物の場合、調度品を贈るなら、新居を見てからセンスに合ったものを選んだほうが喜ばれます。当日は花束ぐらい持って伺い「何かお祝いをと思いましたが、まずはご新居を拝見してから」とことわってあとで贈るのがよいでしょう。
一般には、相手の好みがわからなかったり、難しかったりする場合は、酒や切り花、鉢植え、現金などを贈るのが無難です。好みがわかっていたり、欲しいものが直接聞ける間柄であれば家具や調度品もよいもの。ただしストーブ、ライター、灰皿といった“火”に関するものは当人が希望しない限り、避けるのが常識となっています。
会社などの落成式は、午前中に会社側と請負業者だけで式典を行います。社長から請負者へねぎらいの挨拶があり、請負業者からの謝辞、来賓の祝辞などと続きます。午後は多くの客を招いての祝宴になりますが、これには対外的な宣伝の意味もあるので、盛大に開かれるのがふつうです。服装は、主催者側は社長を含めた幹部社員がモーニングなどの正装、一般社員はダークスーツなど略礼装、客も主賓客や祝辞を述べる人は正装、一般客は略礼装です。お祝いの挨拶をするときはもちろん、祝辞を述べるときはとくに忌み言葉を使わないよう注意します。
お店の宣伝も兼ねて、店名を入れた品物を用意し、「開店記念」や「記念品」などと表書きをし、お祝いをもらった人やお店を訪れてくれた人に配ります。相手はお祝いのつもりではなくても、開店直後に来店したお客様には全員、記念品を配るというのもアイディアです。
品物は持ち帰ることを考えて、小ぶりのしゃれたものがよいでしょう。「これからも利用してください」の気持ちを込めて、優待券などを贈るのもよいものです。
賞や章には国家や社会に対して功労のあった人に贈られる勲章や褒賞のほか、芸術院賞、無形文化財、民間団体の設ける各種の文学賞や絵画賞などいろいろあります。
知人や親戚が受賞したことを知ったら、さっそく祝福の気持ちを伝えます。身近な間柄であれば直接伺ったり、電話をかけてお祝いを述べますが、本人はそういった対応に負われているでしょうから、あまり親しい間柄でないときは祝電を打ったり、贈答品に喜びの気持ちを書いたメッセージカードを添えて贈ったりします。
(国家、社会に功績のあった人に国から与えられる記章)
(学問、文化、産業などの面で立派な行いや業績のあった人に与えられる記章)