ふたりの結婚の意志が固まったら、婚約に進みます。恋愛、見合いのいずれの場合もそうですが、 ふたりが結婚を口約束しただけでは、結婚は成立しません。婚約の方法はいくつかありますが両家 の親や友人・知人といった第三者が立ち会う事が必要です。
その方法は
(1)結納を交わす。
(2)婚約パーティくを開く。
(3)婚約記念品を贈り合う。
(4)婚約通知を出す。
といったことが一般的で、いくつかを組み合わせて行うことがあります。
最近は簡略化される方向にありますが、本人を中心に両家で話し合い、 内容は簡単でも結婚へのけじめとして、きちんと取り交わしておく必要はあるでしょう。
最近は結納をするしないにかかわらず男性からは婚約指輪を、女性からはネクタイピンやカフスボタン、 時計などを贈るケースが増えています。婚約指輪は立て爪の誕生石かダイヤモンドが一般的のようですが、 とくにこだわらず、相応の予算の中で自由に選んでかまいません。結婚指輪と重ねてはめることを想定して 選んでおくとよいでしょう。 ただし、結納を交わさないときは、婚約記念品の交換を本人同士だけでなく、家族や友人の立ち会いのもと に行って、婚約を明確にしましょう。
結納は本来、ゆひのもの(結いの物)といい、新しく姻戚関係を結ぶ両家が一緒に飲食する酒肴を意味するといわれています。 そこへ次第に花嫁の身の回り品やお金が加わり、現在の結納品は結納金(金包)に添える一種の飾りとなっています。
結納品は5品、7品、9品をセットして売っており、9品セットは(1)目録(もくろく)、(2)長熨斗(ながのし)、 (3)金包(きんぽう)、(4)末広(すえひろ)、(5)友白髪(ともしらが)、(6)子生婦(こんぷ)、 (7)寿留女(するめ)、(8)勝男節(かつおぶし)、(9)家名喜多留(やなぎだる)、です。これらの品にはいずれにも 紅白か金銀の水引をかけ、祝い台に向かって右から(1)~(9)の順に並べます。品目は一般には仲人に相談し、両家で同じ ものをそろえるようにします。
結納品の中の「金包」が結納金です。本来は男性からは帯地、女性からは袴地を贈っていましたが、 現在はその代わりにお金を包むようになり、結婚支度金の意味合いが強くなっています。
額は男性の場合、本人の月収の2~3倍といわれていますが、両家で話し合って無理のないように決めるとよいでしょう。
女性の包む額は、関東では半返し、関西では結納時に包まず、嫁入り時に3分の1程度をおみやげとして持って行くのがな らわしでした。現在は、最初から女性のお返しはなしとして、半返しや3分の1のおみやげ分を差し引いて男性から贈ることも多くなっています。
「思い立ったが吉日」という言葉があるように、結納の取り交わしは大安にこだわる必要はありません。 お互いの都合のよい日を選び、めでたいことですから、できれば午前中などおそくなりすぎない時間に行うようにします。
結納は正式には、仲人以外の使者が両家を往復して取り交わしますが、現在では仲人が両家を往復するか、もしくは一堂に 会して取り交わす方法がとられています。一堂に会する場合の場所は、仲人宅か本人どちらかの家、ホテルやレストランの 一室などを借りるのが適当です。
両家が離れていたり、短時間で簡略に行いたいといった場合は、仲人宅やホテルの一室などで一堂に会する形をとります。
全員が席についたら、まず仲人が「本日は○○様、▽▽様、おめでとうございます。略式ながら私どもがここで結納を取り 交わさせていただきます」と挨拶をし、次に仲人夫人が立って一礼し、男性側の結納品を女性に差し出して「結納でござい ます。幾久しくお納めくださいませ」と口上を述べます。
女性は「ご結納の数々、幾久しくお受けいたします」と 答えて目録に目を通し、両親にも見せてもとに納めます。
次に女性が進み出て受書を仲人に渡し、仲人はそれを夫 人に渡し、夫人は捧げ持って男性に「ご結納の受書でございます」と渡します。男性は「ありがとうございます」と返礼します。
同じ要領で女性側の結納品を男性に渡し、男性側の受書を女性に渡して結納の取り交わしを終了します。
仲人は「ご婚約ととのいまして、まことにおめでとうございます」と締めくくります。そのあと茶菓が出され、祝宴にうつ ります。茶菓は全員が着席した最初に出されることもあります。
1. 仲人婦人が男性側からの結納品を女性に渡す。 | 2. 女性は目録に目を通す。 | 3. 女性側からの受書を男性に渡す。 | 4. 女性側からの結納品を男性側に渡す。 | 5. 男性側からの受書を女性に渡す。 |
席次は上座に男性側、相対する側に女性側、下座に仲人夫妻となります。
結納品は床の間か床の間に近い場所にそれぞれ用意しておきます。
茶菓などのもてなしの内容は正式に取り交わす場合と同じです。ホテルや レストランで行う場合は結納であることを告げて、事前に打ち合わせしておきます。
いただいた結納品は挙式当日まで床の間などに飾っておきます。
あちこちから贈られる結婚式祝い品もそのまわりに飾ります。床の間がないときは飾り棚やたんすの上でもかまいませんし、上座に小机を用意し、その上に飾ったりします。婚約期間が長いときは結納後の10日間と、挙式前の10日間ぐらいだけ飾るようにしてもかまいません。
挙式後は結納品は記念にとっておくか、適当な時期に処分してもよいでしょう。
水引細工など正月飾りや家族の祝いごとなどに利用するのも一案です。
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